続 私が感じた福島の風


未だに津波の被害の名残を見ていって欲しい


そんな先輩の計らいで、あえて海沿いを通って帰ることにしました。


既に放射能にやられて具合の悪い私でしたが、もうここに来る機会なんてないかもしれない。この目で見て帰ろうと。

そんな思いで。







その道は帰還困難区域の道であり、道より海側は立ち入りさえも出来ない、言わばギリギリの道でした。


時々ぽつりぽつりと廃墟が。



ここも、あの震災前は普通の場所だったんだな。


ファミリーマートはガラスが割れ、中も荒れ果てている。

パチンコ屋は外壁が崩れ、鉄骨が剥き出しの状態。


8年たった今でも。


全て放射能に汚染されているので、動かせないのだ。




「どうしてこんなことになってしまったんだろう?」



全ては原発があったからだ。



放射能の問題がなければ、町はとっくに復興出来ていたはずだ。









そして、私の身体にも異変が。



線量計でチェックしていたのですが、外が20μSv、車内が10μSvを超えると、喉のあたりに違和感が。


扁桃腺あたり両側が腫れ上がってくるような感覚。


息が苦しい。


手足が痺れてくる。



身体を、あの見えない粒子が突き抜けていく感覚。





苦しくて悲しくて、涙が出て来ました。









こんなところに、生き物は住んではいけない。






これは災害ではなく人災だ。









区域を抜け、福島を抜けたあたりで私は疲れ果てて寝てしまいましたが。


(運転してくれた先輩にはほんと頭が上がりません…)





私はこの体験を一生忘れないと思います。








後ほど気がついたのですが、喉が腫れたように感じたところは、おそらく甲状腺だったのではないかと。



放射線をたくさんあびると、甲状腺ガンになりやすいと言われていますからね。








原発の話になると、どうしても政治的な話になってしまうので、あまり人に言いにくいことではありますが、


私は今回の体験を通して、本当にあれは、あってはならないものだなと改めて感じました。




地球は人間だけのものではありません。




人間はなんと傲慢な生き物なのだろうと。








中医学的に言うと、人間含め動物達は自然界のあらゆるものたちの循環のなかで生きています。



食べるものだけだなく、吸う空気、環境、全てのものとの関わり合いながら、生きているのです。


「全体観」という見方をします。




どこかが崩れると、巡りが淀み、身体の不調が出てきます。



私の感じることですが、人間はこのことに関してなんと鈍感なことか。



この循環が感じられなければ、そりゃ傲慢になるわよね。


地球は誰のもの?


自分たち人間が住めなくなるまで気付かないのではないか。




そんな思いが私の中にあります。





話がすごく大きくなってしまいましたが、



今回、福島を訪れてみて、放射能を身体で感じて、


この思いを忘れないでいたいと思います。





mai